プッシュ屋稼業 競馬残日録

〜修行編〜 世の中にヘンテコな稼ぎ方は数あれど……

ストーリー

プッシュ屋稼業 競馬残日録 第1部「04キャラ編」終了のお知らせ

さて2か月にわたりお送りしてきたこのブログですが、今回を持って第1部の終了とさせていただきます。 第1部では、3つの馬券術のうちの1つ「04キャラ」をご紹介しました。幸いなことに年末年始から今まで、よく機能していて、このまま2月中は十分勝負になるも…

ゴルゴ13の眉も思わずうごめく……?「5555プレゼント」に隠された意図

「……フフン、久しぶりに馬連で遊んじゃおうかな〜? とにかく開催日1日につき、最終の馬連を500円買えばいいんだろ?」 「ええ、競馬場はいくつにまたがってもいいそうです。東京で300円、小倉で200円とか……合計500円で1日分とカウントされます。ただし、あ…

「馬連回帰」にやっきなJRAがまたおっぱじめた! 今年の本気度は予想外に高い?

「あらら、またやってるし……複勝の配当もアップしてほしいのになぁ……」 「ん? なんかおもろいことでも始まるのか?」 「ええ、懲りもせず、JRAが『馬連配当5%アップキャンペーン』をやるんですよ」 「へえ、今度は最終レースなら何でもいいのか? いよいよ…

理論武装完了 再び勝負の舞台へ

「最初、04キャラの説明では、単に0、1、2、3、4型と数字の並び順に話をした。が、正直なところ、忠実にそのキャラ通りのパフォーマンスを見せるのは0、1、2、4型で、3型というのはいまだに謎が解けない怪しいキャラだと思う」 「なんか、3着って意外と勝ち…

そしてあの名馬も3型で勝ち4型で敗れた

「話はステイゴールドで最後と言ったが……もう明かしてもいいだろう……この前から話題になっているテイエムオペラオーも、有馬記念初優勝時のキャラは3型だったんだ」 「伝説の4歳時、1年間無敗の大記録がかかった最終戦ですね?」 「ああ、前年の3歳時には3着…

3、4型から飛躍を遂げた優駿たち

「確かに0、1型の馬がG1を勝つのは、なんの不思議もねえ。だがオレの記憶によれば……初めてG1を勝った時ということであれば、3型どころか、4型でも……2型でさえなければ条件次第で……獲っていった馬はいるぜ」 「そうですね、初めてのG1時と限定すれば話が簡単…

1着、2着、3着にどれほどの価値の差があるか

あー、先週とは食生活が一転して貧しくなった……。 今夜は銀シャリにとれとれの新漁青のり、目玉焼き&味噌汁、以上。文句の一つもいいたいが、実はこの定食セットがバカうま! こうなりゃもう毎日これだっていい。 さすが女将さん、安くておいしいものを知っ…

強さと適性が逆転する瞬間をその目で確かめよ

「なんだぁ、ここまで話してきたのにわからんのか? つまり競馬ってのはさ、どこまでいっても野生馬の行動のミニチュア版なんだよ」 「そっか、サラブレッドって言っても、結局動物の本能から離れられないんですね」 「ああ、想像してみろ。臆病な馬がまず最…

群れ、ボス、併走……馬の野性本能を知る

「おーい、そのまま寝ちまうのかぁ?」 どこからか聞こえてきた藤堂さんの声にオレはハッと起き上がった。 いけない! お腹がいっぱいで体が温まったもんだから、どうやら小上がりであのまま少しウトウトしてしまったようだ。 「いちごあるってよ〜。食べね…

テイエムオペラオーの全成績を探れ

階下の「志野」では、いつのまにかオレの初勝利を祝う宴が開かれようとしていた。 今夜は鍋らしいが、いつもと様子が違う。なんだか白くてフワフワしたものが鍋をいっぱいに覆って、グツグツ音を立てて煮えている。 「こらぁ、女将を待たせるんじゃねえよ。…

キャラのズレを見逃さない

興が乗ってきたオレたちは「チータラ」「ツナピコ」と次々に開封しちゃって、もうつまみ祭りが止まらない。 この調子で、わからないことはどんどん聞いていこう。 「ねえ、藤堂さん、確かに先週までの中京は、4型の馬が穴を開けてきたけど、中には1頭も4型が…

1回で仕留める

男たちによる複勝談義はまだ続く…………。 「キャラが合っていればいいんだから、配当は安いけど、勝負できるよって馬もまだいるはずですよね?藤堂さんなら、その中から複勝3倍の馬を2回買って、資金を9倍にすることも可能でしょ?」 「……ころがし、か」 そう…

複勝は椅子取りゲーム

夜は仕方なく小ブタの貯金箱から200円を借り、おにぎり2個を買い出し。事務所の冷蔵庫に缶ビールと「イカクン」があったので、もちろん無断で奪取!しけた一人残念会を開くことになった。 しかしこんな晩があと5日間続くかと思うと……オレの心の中を否応なし…

複勝を狙え

昼近くになって、ようやく二人とも寝心地の悪いソファから起き出した。しばらくボンヤリしていると藤堂さんがシュッと財布から2万円を出し、ミネラルウォーターと淹れたてコーヒーと梅干しのおにぎりを買ってくるようオレに言った。 「ふわぁぁい……ん、でも1…

名馬との出会い

「ウハハ、冗談ですよ、冗談。……で結局、デジタル派の結論は出たんですよね。こうやってオレに教えてくれるってことは」 「あぁ、もちろんさ……けど最初の数年はいまいち使い勝手が悪くて、このやり方はオジャンにしたほうがいいのかなと思ったこともあった。…

自分だけの武器

小料理「志野」にて。まだカウンターに座っている二人。 …… 藤堂さんの話が終わるまでに小一時間はかかっただろうか。ちょっとでも理解できたかどうかは、実践していけばわかる。その前にもっと聞いてみたいことがあった。 「それにしても、こんな発想、どこ…

馬をキャラで分けろ

「ふーっ、いけねえ酔ってきたあ〜、聞きたいことがあるなら早く聞いとけよぉ〜」 そんなふうに言ってても藤堂さんは大丈夫。ここからまだしっかり飲むんだし。酔ってる振りして頭脳の方は全然クリアなんだ。 「やっと競馬の話になったよ……んじゃ、今日のメ…

最後の最後に

「忘れるんですか」 「そうだ、いっさいがっさい忘れるんだ」 金ができたら競馬のことはすっかり忘れろ、というのは正論だし、分かるんだけど、藤堂さんの口ぶりからオレにはもっと別に気になることがあった。 「藤堂さん、さっきから妙に『時間がない』とか…

オレにはないもの

「よし、そうと決まりゃあ、少し競馬の話もしなきゃな」 熱いのもう1本ね、と注文してから、藤堂さんはグッとオレの方に向き直ってしゃべり出した。 「それにしてもよ、お前、競馬知らないって言ったけど、そんなことないだろ」 「え、まあ、馬券の買い方と…

馬券を買ってみろ

JCダートはベルシャザールの優勝に終わったが、そんなことよりオレは、この日の藤堂さんの仕事ぶりに興奮が止まらなかった。 いつものように階下の「志野」でささやかな打ち上げ。藤堂さんは熱燗を旨そうに口に運び、おれは本日のおまかせ「ブリ定食」をほお…

競馬でプッシュを増やす

プッシュを増やす方法は、実は何でもいい。 大きな配当は必要ない。時間がかからず、手軽で、公平なルールに則っており、いざという時に元本以上に損をしないものであれば、ギャンブルでなくてもいい。しかし賭ける金額は大きめなので、一度にドンと賭けたら…

プッシュギャンブルへようこそ

ちゃんと断っておくと、実際に金をプッシュしているのは清六さんで、「プッシュ屋」というのは、藤堂さんと見習いのオレを含む3人をまとめたユル〜い集まりだと思ってもらえばいい。 こうして清六さんが金を貸すと決め、借り手がそのプッシュを使ってある「…

プッシュ屋が現れるまで

プッシュ屋という「屋号」?は、あくまでこの世界での通称みたいなもので、もちろん世間一般に通用する代物じゃない。口の悪い業界人は「ハイエナ」だの「ハゲタカ」だのと蔑むくらいだから。 オレたちがここで何をやっているか、一言では説明しにくい。が、…

プッシュ屋の一日

仕事は土日の週2回、午後3時から4時の間、と決まっている。全てはこの1時間でケリがつく。 見習いのオレは、狭い前室で息を潜め、薄いドア1枚隔てた、隣の応接室の様子をじっとうかがっている。中をのぞくなと言われているわけじゃない。しかし師匠の藤堂さ…