プッシュ屋稼業 競馬残日録

〜修行編〜 世の中にヘンテコな稼ぎ方は数あれど……

理論武装完了 再び勝負の舞台へ

「最初、04キャラの説明では、単に0、1、2、3、4型と数字の並び順に話をした。が、正直なところ、忠実にそのキャラ通りのパフォーマンスを見せるのは0、1、2、4型で3型というのはいまだに謎が解けない怪しいキャラだと思う」

「なんか、3着って意外と勝ち馬から離されている気がするんですけどね」

「ふたを開ければ、このキャラが1着になる確率が無視できないほど高いなんてな……」

「3型はトランプのジョーカー的存在なのかもしれませんね。あれば面白いキャラ、可能性が高まるキャラ……なんて」

「……ああ、そんな考えでいいと思う。0、1、2、4型と3型は明らかに性格が異なる。新聞の馬柱で2着、2着と続いた馬の次走は断然人気になるもんだが、オレならそれ以外の3型の馬を単勝候補にしたいな」

「そうそう、そういう使い方が面白いですよ……なるほど、また04キャラの理解が深まりました」

 

 

「フフ……理解が深まったのはいいが、早くしないと1年で一番おいしい今の季節を逃しちゃうぞ」

「……なんか、前も『2月までに稼げ』みたいなことを言われて、内心焦っているんですけどね。アレはホントですか?」

「04キャラに関しては、3月に入ると2→1→0型の季節になり、4型はめっきり出番が少なくなる。これまで解説したとおり、2型ってのは、積極的に狙う馬じゃないだろ? もしかしたら能力的に限界を迎えつつある可能性も高いんだしな」

「ふーん、その後の狙いキャラはどう推移するんですか?」

皐月賞が行われる4月中山開催までは2型中心に、晴れの日は0、1型、雨の日は4型にも注意するというごく普通の考え方でいい。舞台が東京に移る4、5月は0、1型の天下になり、6月の東京はまた2型に戻る。夏のローカルは北海道が2、3、4型、他は0、1型から2型への変化に従う。そして秋の中山は0、1型に……というふうに、1年を通じてきれいな波形をイメージをするといい」

「強いキャラと弱いキャラが交互にやってきて、その狭間が2型なんですね」

「まあ、これは1年を通じた大きな波の話だ。週単位の小さな波は、その時々で見ていった方が正確だろう。ひとつだけアドバイスしておくと……」

「え? なんスか?」

「8月の暑い盛りくらいは、競馬を休めよ」

 

 

こうして今週の講義も終わった。

04キャラは決して万能な武器ではない。しかし、長い目で見ていくと、こちらに多くのことを語りかけ、進むべき道を照らしてくれる羅針盤のようなものだろう。

キャラ分けさえできれば、毎週必ず勝負できる馬はいる。ま、オレたちは複勝5倍という看板を掲げて商売しているわけだから、さらに条件は厳しいけど、遊びじゃないという緊張感は心地いい。自分のために強くならなきゃ。

……実際、的中1回じゃあ、ふところ寂しいもんなぁ。

 

あ、いけねえ、お年玉は今週までだった! 今週は絶対もらわなきゃ!!