プッシュ屋稼業 競馬残日録

〜修行編〜 世の中にヘンテコな稼ぎ方は数あれど……

「このままじゃまずい!」慌てたJRAが大騒ぎキャンペーン始める

「それじゃ、こんなデータもあるが……」

 

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「これは『馬券の売り上げ額』そのものですね?」

「ああ、そうだ。どのくらいの金額が、どこで買われているか、一目瞭然だ」

「しかし売り上げがずいぶん減りましたね〜」

「今は全盛時の6割だからな……。しかもとくにひどく落ち込んでいるのが、場外『ウインズ』での売り上げだ。約3分の1になっちゃった。ホントは平成の早い時期からピークアウトしていたんだが、後発のネット投票がその減少分を補っていたから、今まで指をくわえて様子を見ていたんだろう」

「なんか、家電量販店の今の姿を見ている感じです。外で買わずに……」

「家で買う……ってか? しかもこの頃はそのネット投票でさえ、横ばいがやっとだ」

「なるほど、ファンが馬券そのものを買わなくなったのはわかります。でもそれと馬連、3連単の関係については……」

「まあ、あわてるな。さっき見た馬券別の売り上げ比較表をもう一度、整理しよう。

 

1 金額ベースで一番買われている馬券は、3連単。その次が3連複。

2 馬連はもはや主流ではない。

3 馬単、ワイドに至っては買う方が少数派。

4 なぜかジワジワ単勝、複勝が伸びている。

 

3連単を発売して新年でちょうど10年目を迎える。確かにこの高額配当狙いの馬券はファンの間に十分浸透したが、資料から見ると『他の馬券を買う金を奪って得たシェアであり、売り上げの増加にはつながっていない』のは明らかだ」

「……それで当たる人がたくさんいれば、めでたしめでたしなんだけど……」

「ああ、3連単馬券なんて、そうそう当たるもんじゃない。極論すれば馬券の中でも『宝くじ』に近い。『宝くじ』の配当にひかれて、買ってはみたが、いつまでも当たらない。当たらないとわかれば……」

「うーん、結局は他の馬券に戻るか、競馬をやめるか……」

「その二択だろう。JRAにしてみれば、ファンに競馬をやめられるのが一番怖い。3連単をここまでポピュラーにしておきながら、断腸の思いではあるが、ここらで1回ファンの馬券疲れをリフレッシュしておかないと……」

「売り上げそのものがどんどん減っちゃうんですね」

「そう、そこで、もっと当たりやすく、昔から親しみがある2頭の組み合わせ馬券『馬連』をクローズアップして、とにかく『馬券が的中する』成功体験をファンの心理に植え付ける必要性が出てきた。3連単は当たらない〜って自分で言い出したようなモンかな」

「でないと、ファンはいくらお金があっても足らないですからね」

「なーに、JRAは、その配当で次の馬券を買って欲しいだけ。ファンにお年玉をあげる気はサラサラないのさ。この最悪とも言える『ファン総撤退』傾向がもっと早く始まっちゃったのが、あの『 WIN5 』だ」

「オレ、そのWIN5って全然知りませんけど……」

「基本、日曜の後半5レースの勝ち馬を当てる簡易『5重勝』馬券と思えばいい。配当は最高2億円の可能性まであるんだが、これがまた3連単に輪をかけて難しい。その結果、開始当時は20億円以上の売り上げがあったのに、めったに当たらないとわかってきた今は、わずか4億円の売り上げなんて時もある」

「ファンが見た夢は、もう覚めちゃったんですね……」

「ああ、もしこの現象が近々、3連単馬券でも起こったら……いよいよファンは雪崩を打って馬券から離れていくんだろうな……。 この中山金杯京都金杯5%キャンペーンの真実は『ただ馬連を買うことにあらず』なのがおわかりかな?」

「……お!……もしかして?……オレにも一つわかったことがありますよ!」